亜鉛

概要

亜鉛は成人では体内に2gほど含まれ、血液や皮膚に多く存在し、臓器では骨、筋肉、腎臓、肝臓、脳に多く存在しています。

また、男性の場合には前立腺に最も高濃度に含まれているという報告があります。

体内では酵素の多様な代謝を行い、体がスムーズに働くための潤滑油の役割をしています。

亜鉛は200種類以上の酵素の構成成分として、体内の重要なしくみにかかわっていて、不足することで様々な症状が表れます。

代表的な症状として「味覚障害」です。

味覚障害は特に若い女性に多いという報告もあります。

亜鉛は極端なダイエットや、植物性に偏った食生活、加工食品ばかりの食事などによって不足します。 特に加工食品に含まれることが多い「リン酸塩」は、亜鉛と結合することにより亜鉛の吸収を妨げるため、加工食品の摂りすぎには注意したいところです。

多く含まれる食品

食品名成分量 100gあたりmg
カキ14.0mg
豚レバー6.9mg
牛肩ロース(赤身)6.4mg
牛もも肉(赤身)4.5mg
イイダコ3.1mg
ホタテガイ2.7mg
糸引き納豆1.9mg
玄米ごはん0.8mg

期待される効果

たんぱく質合成

細胞分裂を正常に行って新しく細胞をつくったり、たんぱく質を合成することに関わっています。

亜鉛が小児時期も不足すると身長や体重などの発育が著しく遅れます。

その他にも思春期では第二次性徴(性的な発達)が遅れ、成人男性では性機能不全が起こる、妊婦では胎児の成長不良が起こるなど様々な成長過程に支障をきたします。

ホルモンの合成・分泌

各種ホルモンの分泌とも関係しています。血糖値を下げてくれるホルモンの「インスリン」も合成には亜鉛が必要です。


引用文献

日本人の食事摂取基準(2020年版) 厚生労働省

令和元年国民健康・栄養調査報告 厚生労働省

日本食品標準成分表2020年版(八訂)文部科学省

eJIM 厚生労働省

サプリメント健康辞典 著者/一般社団法人日本サプリメント協会 監修/NPO日本抗加齢協会

栄養素の通になる第5版 食品成分最新ガイド 上西一弘


記事筆者

アンチエイジング・プロ 管理栄養士 SAIKO 管理栄養士の知識を活用して健康食品サプリメントの商品開発を行っています。年間500件以上の食事指導の経験が自慢。・・・もっと詳しく


サプリメントの対応について

対応剤形

  • 錠剤(タブレット)〇
  • ハードカプセル〇
  • ソフトカプセル△
  • 顆粒〇
  • ドリンク〇

亜鉛の摂取によって、銅が不足しやすく貧血の原因になる可能性もあることから、亜鉛のサプリメントには銅を配合しているものが多いようです。

1日あたりの摂取目安量

出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」厚生労働省

栄養機能表示食品の上限、下限

上限値15mg

下限値2.64mg

栄養素等表示基準値

8.8mg

栄養機能表示 

亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です。亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。亜鉛は、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ栄養素です。

摂取する上での注意

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、 より健康が増進するものではありません。亜鉛の摂り過ぎは、銅の吸収を阻害するおそれがありますので、過剰摂取にならないよう注意してください。一日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。

栄養機能食品 東京都福祉保健局

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/kyouzai/files/eiyouseibun_chapter_5_kinoushokuhin.pdf