グルタチオン

概要

グルタチオンは、3つのアミノ酸(グルタミン酸、システイン、グリシン)から成るトリペプチドです。システイン含有ペプチドと呼ばれることもあります。妊娠中毒の際に処方される成分としても、良く知られています。

グルタチオンは、体の中でも抗酸化物質として活躍する成分であり、活性酸素(フリーラジカル)によるダメージから体を守ります。また、構成成分のL-システインと同様、解毒作用があり、美容や健康に役立つ成分として知られています。

食品では、ブタ肝臓、肉類(牛肉、豚肉)、牡蠣、アボガド、トマト、小麦粉、お米、パン酵母などに多く含まれます。原料は、医薬品で使用される合成原料と、食品で使用されるトルラ酵母由来の原料が存在します。

期待される効果

美容・健康

グルタチオンは、お肌に良いとされている硫黄を含み、強い抗酸化作用を持つことから美容や健康に良いとされています。また、L-システインと同様、美白にも良いとされており、メラニン合成阻害作用など、多くの報告がなされています。グルタチオンがクリニックルートで人気である理由の1つです。

Systemic Glutathione as a Skin-Whitening Agent in Adult. Dermatol Res Pract. 2020;24:2020:8547960.
グルタチオンのメラニン合成阻害機構 YAKUGAKU ZASSHI 2008; 128(8): 1203-1207.

アルコールケア

グルタチオンは、肝臓に運ばれてきた毒物を包み込んで尿中へ排泄させて解毒しているため、人間の体の中で肝臓に多く分布する成分であり、アルコールケア商品にも数多く利用されています。
肝臓にグルタチオン(やL-システイン)が多いことは、アルコールケア商品に、肝臓分解物が利用される理由でもあります。

また、グルタチオンは、体内で解毒酵素がつくられる力を活性化することで、肝機能を高める効果も報告されています。

Meta-analysis: glutathione-S-transferase allelic variants are associated with alcoholic liver disease. Aliment Pharmacol Ther. 2011;34(10):1159-72.

疲労対策

肝機能の低下が疲労を招くため、肝機能を高める成分は、疲労対策にも良いとされています。そのため、アルコール代謝のように肝機能を高めるグルタチオンも、疲労対策に利用されることもあります。

グルタチオンの経口摂取による肝臓内Nrf2の核内移行の促進と肝機能改善 日本栄養・食糧学会大会講演要旨集 2018;72:196


サプリメントの対応について

対応剤形

  • 錠剤(タブレット)〇 ※コーティング推奨
  • ハードカプセル〇
  • ソフトカプセル〇
  • 顆粒△ ※ごく少量のみ
  • ドリンク×

※グルタチオンは、含硫アミノ酸特有の臭いを有します。配合量や剤型に注意が必要です。詳しくは、配合量はOEM担当にご相談ください。

※現在、医薬品のグルタチオン錠の供給が非常にタイトですが、サプリメントで使用できるグルタチオン原料は、合成原料に比べて高単価であり、医薬品レベルの商品を作りにくいのが実情です。代替商品の設計等は、担当者にご相談くださいませ。

相性がいい成分

葛花抽出物

漢方では「酒毒を解す」水戸光圀(水戸黄門)が愛した生薬として知られている素材です。マリアアザミのシリマリンと同様、アルコールケア商品に利用される素材です。


オルニチン

アンモニアを尿素に変えて解毒する尿素回路(オルニチン回路)で働くアミノ酸の1つです。シジミに多く含まれることがよく知られています。アルコールケア商品の定番素材の1つです。


記事筆者

アンチエイジング・プロ 管理栄養士 SAIKO 管理栄養士の知識を活用して健康食品サプリメントの商品開発を行っています。年間500件以上の食事指導の経験が自慢。・・・もっと詳しく