ビタミンB6

概要

ビタミンB6は皮膚炎を予防することから発見されました。

食事から取り入れたたんぱく質やアミノ酸の代謝に関わっている他、神経伝達物質の生成、免疫力の維持など100以上の補酵素として様々なところで必要とされるビタミンです。

他のビタミンは食事から補給しないと欠乏してしまいますが、ビタミンB6は腸内細菌からも作られるため、欠乏症は起こりにくいビタミンです。

ですが、抗生物質を長期間服用すると腸内細菌のバランスが崩れるため、ビタミンB6を合成する働きが低下し、欠乏症に陥りやすいことが知られています。

多く含まれる食品

食品名成分量 100gあたりmg
牛レバー0.89mg
マグロ(赤身)0.85mg
カツオ0.76mg
鶏ささみ0.62mg
鶏ひき肉0.52mg
ししとうがらし0.39mg
バナナ0.38mg
赤ピーマン0.37mg

期待される効果

たんぱく質代謝促進

たんぱく質は体内で一旦アミノ酸に分解され、その後体が必要とするたんぱく質に合成されます。このときに補酵素になるのがビタミンB6です。ビタミンB6が十分にあることで、皮膚や髪の毛、歯などがスムーズに生成されるのです。

たんぱく質の手軽な補給源としてプロテインがあげられますが、たんぱく質補給だけでは筋肉の生成につながらないためビタミンB6が一緒に入っていることが多いです。

神経系を正常に保つ

セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、γ-アミノ酪酸など神経伝達物質の生成に補酵素として関与しています。神経伝達物質は脳の神経細胞の間で情報の橋渡しをしている物質です。ビタミンB6が関連している神経伝達物質は「興奮」や「リラックス」に関与しています。

脂肪肝を予防する

ビタミンB6は脂質代謝をサポートし、肝臓への脂質の蓄積を防ぐことから脂肪肝を予防する効果が期待されています。

脂肪肝の治療として、ビタミンB2やリンとともに使われています。


引用文献

日本人の食事摂取基準(2020年版) 厚生労働省

令和元年国民健康・栄養調査報告 厚生労働省

日本食品標準成分表2020年版(八訂)文部科学省

eJIM 厚生労働省

サプリメント健康辞典 著者/一般社団法人日本サプリメント協会 監修/NPO日本抗加齢協会

最新ビタミン学~基礎知識と栄養実践の手引き~ 著者/京都大学名誉教授・日本栄養食糧学会会長 糸川嘉則

栄養素の通になる第5版 食品成分最新ガイド 上西一弘


記事筆者

アンチエイジング・プロ 管理栄養士 SAIKO 管理栄養士の知識を活用して健康食品サプリメントの商品開発を行っています。年間500件以上の食事指導の経験が自慢。・・・もっと詳しく


サプリメントの対応について

対応剤形

  • 錠剤(タブレット)〇
  • ハードカプセル〇
  • ソフトカプセル△
  • 顆粒〇
  • ドリンク〇

さまざまな形状のサプリメントが販売されています。顧客のニーズに合わせた剤形にするのが望ましいでしょう。

サプリメントからのビタミンB6の吸収率は食べ物から摂取する場合と同様です。

サプリメントや医薬品で摂取する場合は、一度に大量に摂取するよりもこまめに飲むことや、空腹時を避けて食後などに飲むのが効率よくビタミンB6の摂取ができます。

一度に大量に摂取してしまうと、ほとんどが尿として流れ出てしまいますので、よりビタミンB6を補給したい場合は、こまめに摂取するほうがお勧めです。

また、空腹時に摂取すると胃を荒らす可能性がありますので、空腹を避けて摂取するのが望ましいでしょう。

1日あたりの摂取目安量

出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」厚生労働省

栄養機能表示食品の上限、下限

上限値10mg

下限値0.39mg

栄養素等表示基準値

1.3mg

栄養機能表示 

パビタミンB6 は、たんぱく質から のエネルギーの産生と皮膚や粘膜 の健康維持を助ける栄養素です。

摂取する上での注意

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、 より健康が増進するものではありません。一 日の摂取目安量を守ってください。

栄養機能食品 東京都福祉保健局

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/kyouzai/files/eiyouseibun_chapter_5_kinoushokuhin.pdf