ビタミンA
概要
ビタミンAは脂肪に溶ける性質を持つ、脂溶性ビタミンの一つで、体の中ではレチノール・レチナール・レチノイン酸の3つの分類の働きがあります。
そのほかにもβ-カロテンなど、約50種類のプロビタミンAカロテノイドが発見されています。このプロビタミンAは小腸上皮細胞でビタミンAに変換され体内で働きます。
主に動物性食品からレチノールとして、植物性食品からプロビタミン A であるカロテノイドとして摂取されています。
ビタミンAは腸管で吸収され、肝臓で貯蓄され一定量を超えると、毒性が高くビタミンA過剰症となる危険性があります。 一方、β-カロテンやその他のプロビタミンAカロテノイドの大量摂取により重大な有害作用が起こる心配はありません。
また、ビタミンAは肝臓に大量に貯えられており、摂取が不足していても、肝臓のビタ ミンA貯蔵量が 20 µg/g 以下に低下するまで血液中濃度低下は見られないため欠乏症に陥る恐れは少ないですが、発展途上国では、動物性食品やβ-カロテンを含む食品の摂取が少ないため、ビタミンAの欠乏症が起こっています。
多く含まれる食品
食品名 | 成分量 100gあたりμg(μgRAE) |
鶏レバー(生) | 14000μgRAE |
豚レバー(生) | 13000μgRAE |
あんこう肝(生) | 8300μgRAE |
うなぎ(生) | 2400μgRAE |
あゆ(生) | 2000μgRAE |
マグロ(生) | 840μgRAE |
モロヘイヤ(生) | 840μgRAE |
にんじん(生) | 720μgRAE |
期待される効果
目の健康
レチノールとレチナールは、網膜細胞の保護作用や視細胞の光刺激反応に重要な働き
をもたらしています。
主に、網膜中に存在する光を吸収するたんぱく質のロドプシンと呼ばれる視物質の材料になります。
ロドプシンは明るいところで分解され、暗いところでは再生される特性がありますが、ビタミンAが不足することにより、ロドプシンが生成できず暗順応障害が生じ、夜盲症の原因となります。
粘膜の正常を保つ
目以外にも口腔、肺、消化器官などの粘膜を正常に保つ働き
があるため、感染症を予防し、体全体の免疫力を高めることにも役立ちます。
がんや老化予防
β-カロテンやβ-クリプトキサンチンなどのプロビタミンAは活性酸素の除去する能力(抗酸化力)が高く、がんや老化予防
にも期待されています。
同じく抗酸化ビタミンであるビタミンE,Cと一緒に摂取することで相乗効果が期待できます。
引用文献
日本人の食事摂取基準(2020年版) 厚生労働省
令和元年国民健康・栄養調査報告 厚生労働省
日本食品標準成分表2020年版(八訂)文部科学省
eJIM 厚生労働省
サプリメント健康辞典 著者/一般社団法人日本サプリメント協会 監修/NPO日本抗加齢協会
最新ビタミン学~基礎知識と栄養実践の手引き~ 著者/京都大学名誉教授・日本栄養食糧学会会長 糸川嘉則
栄養素の通になる第5版 食品成分最新ガイド 上西一弘
記事筆者
アンチエイジング・プロ 管理栄養士 SAIKO 管理栄養士の知識を活用して健康食品サプリメントの商品開発を行っています。年間500件以上の食事指導の経験が自慢。・・・もっと詳しく
サプリメントの対応について
対応剤形
- 錠剤(タブレット)〇
- ハードカプセル〇
- ソフトカプセル〇
- 顆粒〇
- ドリンク△
ビタミンAは脂溶性ビタミンなので脂質と一緒に摂取することで吸収されやすくなります。
そのため、サプリメントや医薬品から摂取するには食後がおすすめです。
1日あたりの摂取目安量
栄養機能表示食品の上限、下限
上限値600μg
下限値231μg
栄養素等表示基準値
770μg
出典:栄養養機能食品 東京都福祉保健局
栄養機能表示
ビタミンAは、夜間の視力の維 持を助ける栄養素です。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健 康維持を助ける栄養素です。
摂取する上での注意点
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一 日の摂取目安量を守ってください。妊娠三か月以内又は妊娠を希望する女性は 過剰摂取にならないよう注意してください。