大豆イソフラボン

概要


大豆イソフラボンは、特に大豆の胚芽(芽になる部分)に多く含まれる成分で、フラボノイドの一種です。
女性ホルモンの一つであるエストロゲンと分子構造が似ているため、植物性エストロゲンとも呼ばれています。
イソフラボンは大豆以外にも、レッドクローバーや葛、甘草などのマメ科の植物に含まれますが、その生理活性は異なり、エストロゲン様作用は大豆イソフラボンならではの作用です。
(大豆以外のイソフラボンは主にダイエットや美容効果が期待できる成分です)

期待される効果

不定愁訴の軽減

大豆イソフラボンは、エストロゲンに似た化学構造を持つため、摂取することでエストロゲン受容体に結合して、エストロゲンに似た作用をすることが知られています。
女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少や乱れにより、疲労が抜けない、頭痛が続く、めまいやふらつきなどの症状が出るため、大豆イソフラボンのパワーが女性の健康に役立ちます。

骨形成サポート

骨は食べ物から摂取したカルシウムが血液から骨に運ばれてカルシウムを定着させて上部な骨を作る「骨形成」と、古くなった成分を壊して骨のしなやかさを保つ「骨吸収」により、健康な骨を維持しています。
しかし、特に女性では、エストロゲンによる「骨形成の促進」や「骨吸収の抑制」の働きが、健康な骨の形成に大きく関わっています。
そのため、エストロゲンの分泌量が閉経により減少すると、骨が弱くなりやすく骨粗しょう症のリスクが高まります。


そこで大豆イソフラボンは、骨のエストロゲン受容体を介して直接作用するため、骨の健康を保つ効果があります。

 一般的に、骨粗鬆症は閉経後10年ほどで発症する方が多く、日本人女性では50代に比べて60代で約4倍に増えるという統計があります。
骨粗鬆症のリスクを抑えるたえに大豆イソフラボンの活用をしていきたいところです。

イソフラボン摂取量の注意点

食品安全委員会が2006年にまとめた「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」によると、大豆イソフラボンの摂取目安量の上限は70~75 ㎎/日となっています。
なお、特定保健用食品として大豆イソフラボンを食事以外に上乗せして摂取する場合の上限は、30mg/日となっています。
この上限を考慮して、サプリメントの設計をするのが望ましいでしょう。

また、大豆イソフラボンは「アグリコン型イソフラボン」と「グリコシド型イソフラボン」の2種類があります。違いとしては、「グリコシド型」は糖がくっついているので、分子量が大きく吸収しにくい性質がありますが、「アグリコン型」は吸収を妨げる糖が外れたイソフラボンのため、吸収率が比較的高いです。
このことからも、「アグリコン型イソフラボン」がおすすめです。


サプリメントの対応について

対応剤形

  • 錠剤(タブレット)〇
  • ハードカプセル〇
  • ソフトカプセル〇
  • 顆粒〇
  • ドリンク〇

相性がいい成分

乳酸菌・ビフィズス菌

大豆イソフラボンが女性ホルモン様作用を示すには、腸内環境が整っていることが必要です。
腸内の善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を配合することで、腸内環境をより整えてくれます。


ビタミンD

女性をターゲットにしたサプリメントを設計する場合は、ビタミンDもおすすめです。
骨粗鬆症のリスク低減にはビタミンDが有効であるといわれており、カルシウムの吸収を高めてくれる働きが期待できます。


記事筆者

アンチエイジング・プロ 管理栄養士 SAIKO 管理栄養士の知識を活用して健康食品サプリメントの商品開発を行っています。年間500件以上の食事指導の経験が自慢。・・・もっと詳しく