葉酸

概要

葉酸はサルやニワトリの貧血を治療する因子が、ほうれん草中に存在することが発見されました。

ビタミンB群の一種で、新しい赤血球を正常に作るために必ず必要なことから「造血ビタミン」とも呼ばれています。

葉酸は細胞の分裂や成熟を大きくするため、特に胎児にとって重要なビタミンです。妊婦が葉酸を十分に摂取することで、胎児の先天異常である神経管閉鎖症のリスクを減らすことができます。

厚生労働省からは妊娠を予定している女性に対し、葉酸を栄養補助食品(サプリメント)から1日0.4mg摂取を推奨しています。 これは、葉酸が過熱することで50%程度分解することや、水に溶けだしやすく、調理過程での損失が激しいため十分に摂取しづらいことが考えられるためです。

多く含まれる食品

食品名成分量 100gあたりμg
鶏レバー1300μg
牛レバー1000μg
豚レバー810μg
枝豆(茹で)260μg
モロヘイヤ250μg
ブロッコリー220μg
ほうれん草210μg
ひきわり納豆120μg

期待される効果

造血作用

骨髄の中で活発な細胞分裂をすることから造血が行われていて、葉酸はその細胞の核に多く含まれる核酸を作るために必要です。

そのため、葉酸が不足すると細胞分裂の働きが鈍くなるため、貧血の原因となります。

認知症予防

血液中のホモシステイン濃度が上がるとLDL(悪玉)コレステロールと結びつき、動脈硬化の発症リスクが高くなります。また、ホモシステイン濃度が上がると、アルツハイマー型認知症の発症する確率も高くなります。

ここで必要となるのが「葉酸」です。葉酸は、ホモシステインを「解毒作用」のあるシステインやメンチオニンに変換してくれます。


引用文献

日本人の食事摂取基準(2020年版) 厚生労働省

令和元年国民健康・栄養調査報告 厚生労働省

日本食品標準成分表2020年版(八訂)文部科学省

eJIM 厚生労働省

サプリメント健康辞典 著者/一般社団法人日本サプリメント協会 監修/NPO日本抗加齢協会

最新ビタミン学~基礎知識と栄養実践の手引き~ 著者/京都大学名誉教授・日本栄養食糧学会会長 糸川嘉則

栄養素の通になる第5版 食品成分最新ガイド 上西一弘


記事筆者

アンチエイジング・プロ 管理栄養士 SAIKO 管理栄養士の知識を活用して健康食品サプリメントの商品開発を行っています。年間500件以上の食事指導の経験が自慢。・・・もっと詳しく


サプリメントの対応について

対応剤形

  • 錠剤(タブレット)〇
  • ハードカプセル〇
  • ソフトカプセル△
  • 顆粒〇
  • ドリンク△

さまざまな形状のサプリメントが販売されています。顧客のニーズに合った剤形を作るのが良いでしょう。

サプリメントや医薬品で摂取する場合は、一度に大量に摂取するよりもこまめに飲むことや、空腹時を避けて食後などに飲むのが効率よく葉酸の摂取ができます。

一度に大量に摂取してしまうと、ほとんどが尿として流れ出てしまいますので、より葉酸を補給したい場合は、こまめに摂取するほうがお勧めです。

また、空腹時に摂取すると胃を荒らす可能性がありますので、空腹を避けて摂取するのが望ましいでしょう。

1日あたりの摂取目安量

出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」厚生労働省

栄養機能表示食品の上限、下限

上限値200μg

下限値72μg

栄養素等表示基準値

240μg

栄養機能表示 

ビタミンKは、正常な血液凝固 能を維葉酸は、赤血球の形成を助ける栄養素です。  葉酸は、胎児の正常な発育に寄 与する栄養素です。

摂取する上での注意

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、 より健康が増進するものではありません。一 日の摂取目安量を守ってください。  葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養 素ですが、多量摂取により胎児の発育がよくなるものではありません。

栄養機能食品 東京都福祉保健局

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/kyouzai/files/eiyouseibun_chapter_5_kinoushokuhin.pdf